フロイト「精神分析入門」読書会(序・第一講)
関東サークラ同好会メンバーのべとりんです。このところ、関東サークラの活動も軌道に乗ってきたように感じます。良いことですね。
現在、関東サークラの一部メンバーで、フロイトの「精神分析入門」(新潮文庫)の読書会を行っています。Skype上にて毎週1回、1章ずつ(この本では「章」ではな「講」という単位になってますが)読み進めています。先週、第三講まで読み進みました。
せっかくなので、読書会で作ったレジュメを、このブログ上でも公開することにしました。読書会にあとから参加する人の役に立てばと思います。
・・・とは言っても、この本は昔から読まれてきてますし、ネット上を探せばいくらでも要約が転がってますよね。この記事を書きながら探してみたんですが、さっそく
01. フロイト『精神分析入門』第1講 序論 | 山竹伸二の心理学サイト
がヒットしました。
自分たちでまとめたレジュメをネット上にアップするのって、自己満足以上の価値がないんじゃないかという気もしてきます。まあ、文章を書く行為の9割以上は自己満足なんじゃないかという気もするんですが。
現在、読書会への参加者を募集中です。どなたでもお気軽にどうぞ。
凡例 ・本の中の内容 ○ほかの資料からの情報 *レジュメを書いた人間のコメント
第一回資料 「序」「第一講序論」
序 p7-8 と この本の位置づけについて確認
・この本には、「精神分析入門」と「続精神分析入門」が掲載されている。
・「精神分析入門」の内容は、1915年から1917年にかけてフロイトの講義録である。聞き手には医師も非専門家も含んでいる。
○フロイト(1985-1939)の研究業績は、大別して1920年の『快感原則の彼岸(ひがん)』を境にして前期と後期に分けられ、前期のものを深層心理学とよぶのに対して、後者は自我心理学とよばれている。
○精神分析入門では、「1.錯誤行為」「2.夢」「3.神経症総論」が主な内容。
○続精神分析入門では、「1.自我・エス・超自我(心的装置論)」「2.女性性について」「3.精神分析と科学について」が主な内容。
*「精神分析入門」は前期の思想の集大成、「続精神分析入門」は後期の思想の集大成と考えてもよいのだろうか?
第一講 序論p12-
・精神分析とは
・1.神経症を医学的に治療する操作
○2.上の治療経過や結果から分かったことをまとめた理論。
○3.1や2を元にして、「無意識」を前提に人の心の仕組みや働きを解き明かそうとする学問。
(*心理学と精神医学の間。科学であるか、哲学であるか??)
・精神分析を学んでいく上での困難
第一:精神分析の指導や教育に関連した困難。
・実物を見せることができない。
・精神分析はまず自分自身について、自分という人間を研究することによって習得される。
第二:生体の諸機能とその障害を解剖学的に根拠づけ、科学的、物理学的に解明し、生物学的にとらえるというような教育
・心理学的な思考法を不信の目で眺め、その科学性を認めない考え方。
・身体的なものと心的なものとの関係について教えてくれるものは何もない
・この間隙を埋めようと努めているのが精神分析。精神分析は、精神医学に対して、いままで欠けていた心理学的基礎を与えようと意図し、身体的障害と心的障害との合致を理解させる基礎となる共通の地盤を発見しようとしている。
(*心の哲学もこの分野?)
・解剖学、化学、生理学のような精神分析とは無縁の前提から離れて、全く純心理学的な補助概念だけを用いていかなければならない。
第三:精神分析は、2つの点で世間の感情を害し、世間の嫌われ者になっている。
- 世間の知的な先入観に反する
・意識的過程は心的全活動のたんに個々の作用面であり、部分であるに過ぎない
- 審美的・道徳的価値観に反する
・広義にせよ協議にせよ、性的なものと呼ぶよりほかはない欲動興奮が、神経と精神の病気の原因として、大きな役割を果たしている